糸を染めたらサイジングといって糸に糊付け(ここは見学してません)
そして布を織る前に協同組合播州織総合準備センターという別の工場で布の色に合わせて縦糸を色順に用意して
布の縦糸をリードという金属に手作業か機械で通します
だいたい5000本くらいだそうです
これをする自動の機械は1億位するそうです。
ちょうどメンテナンス中で動いているところは見えませんでしたが
手で縦糸をセッティングするだけで2日くらいかかるそうです。
播州産地では一貫してひとつの企業が最初から最後まで行うのではなく
各工程を分業で行っているそうです。
10日は神戸の播州産地の工場見学でした!
こちらは綿織物の産地で、まず最初は播磨染工株式会社さん
先初めといって先に糸を染めてから織るので糸の染色工場を案内していただきました。
出来た布を染めるのではなく、先に糸を染めるのです。
これが染める前の横糸。
1つが何万メートルも巻いているそうです
中までしっかり染まるように、染めの為だけにメッシュの軸に巻きなおしてあります
この横に長いのが縦糸。
実は横幅1m以上あります
すすぎまで自動で行われるようです。
だいたい1色染めるのに8時間から10時間かかるそうです
白い糸って脱色してるのかなと思うでしょ
実は白く染めてあるんですって!!
色の調合はコンピューターに入力して製作するそうです
過去に調合して作った色見本だけの部屋も見せていただきました
こんな本の少しの違いの色合いまで、お客様の依頼にこたえられるように膨大なサンプルが用意されているようです
また木製ボタンの染色やウッドビーズの染色も試作されていました。
体に触れても安全な染料で染めてあるそうですよ
さすがにプラスチックは染まらなかったそうですが
木のやさしい風合いが残ったかわいいボタンが、パステルカラーになって、作れる幅が広がりそうですね。
一般販売はまだしていないそうなので、興味のある手芸店さんは問い合わせてみてはいかがでしょうか?
今は科学染料を使い、ほぼ色落ちはしないのだそうです。
たまに、どこの国の生地かわからないもので
洗濯どころか縫っている最中にどんどん色が落ちて白いミシンが淡く布の色に染まるような生地もあるのですが、ほぼ色落ちがないとはありがたいですね!
廃液も自社敷地内で処理して自然に害のない状態にして川へ流しているそうです。
廃液の残りは粉にして別途肥料の材料になるそうです。
環境に配慮されながら、こうやって糸は作られているのですね
9日に神戸ファッション美術館に行ってきました
見ただけでは素材がわからない物もあるので、館内の職員さんに質問してもいいですかと尋ねたら学芸員さんを呼んでくださいました
この方が色々教えてくださいました!
素材の話をしていたら、催し物の衣装だから当時の威信をかけて絹で作ってるけど、実際は麻だったと思う衣装もあるとのこと。
あと、時代装束の素材で麻って書かれていてるものも
現代人の想像する、リネンやラミーではなくて
その土地で取れた植物の繊維全般の事を引っくるめて麻と呼んでいた
だから当時の服は2代3代かけてようやく着心地が良くなるようなゴワゴワで色も染まりにくく今みたいに沢山なかったと思うよというはなしを聞かせていただきました。
ちなみにファッション美術館ではドレスとかの型紙を販売していて(縮小したものでしたが)
海外のドレスの製図本とか本の通りに作っても同じ形にならないことありますよねという話をしたら有名デザイナーの型紙でも実際のパターンと違うことはあるあるらしいです。
ファッション美術館には現在1万点の貴重な衣装があるそうなんですが
ドレスとかは数千万出せば復元が出来るが難しいのは下着っていってました
当時のものをちゃんと復元しようとしたらクリノリンとかパニエは億かかっても作れないかもしれないとおっしゃっていました
下着は残らないからだそうです。
リンドバーグ城で発見された下着とかとても貴重なのでしょうね
日本語でのまとめ
そんな写真から私が暇つぶしに3Dに起こしてみたのがこれ
当日は当然展示物に触ってはいけないので、床にはいつくばって裏を覗き込んだりしてましたw
意外だったのは綿が一般に流通し始めたのは結構あとの時代だそうで
帰宅して調べたら江戸時代くらいという記事を見ました
戦国時代まではまだ輸入品で貴族のものだったようです。
洗濯しても落ちない染料は最近になってからのようですが
織りの技術はすごいですね
こんな時代からもう機織でこんなに綺麗な柄を織りで作り出せたの!?と愕然としました。
浜田さんいわく、はるか昔の人間も今の教育をすれば、同じように育っていたと思う
だから布は縦糸と横糸の織りの組合せだけでいろんな柄が作れるのだから
複雑な織り模様も作れる人もいただろうとのこと。
ただ染料は天然の動植物の汁とかだから洗濯したら色落ちがすごかったんだろうなあ
ほんとすごく面白かったです。
日本衣装絵巻―卑弥呼から篤姫の時代までは2016年1月までの特別展示なので、興味がある方は早めに行くのをオススメします(o^-^o)
常設展示のドレスもすごかったですよ
ナポレオンの戴冠式の衣装は当時実際に製作に関わった工房に依頼して製作したそうです
6年がかり?といっていたでしょうか。
金モール刺繍?厚みがすごいです
何匹刺繍したんだっていう位の蜂の刺繍
いったいいくらかかったんでしょう、戴冠式の服なので恐ろしい金額なんでしょう。
あとドレスのパターン、布に収まらなかったのか左右のそでで形が違っていたり、縦横が違ってたりするんですって。
本物を採寸して、再現する際に、貴重な衣装を解くわけにはいかないので、隠れたヒダなどをどうやって採寸したかというと
布に同じ柄をプリントして同じように柄が出るようにして調べたのだそうです。
私のような個人ではとても出来ない、さすが美術舘の仕事です。
ただ見るだけという受身だと得られる情報は少ないですが
何か勉強して帰ろう、自分の身にして帰ろうと思っていくとぜんぜん違うので、洋裁を勉強している人は、ぜひ行ってみてください
神戸ファッション美術舘
神戸ファッション美術館の写真