お裁縫のコツブログ

2015年11月

風俗博物館と丸益西村屋と京のじゅばん&町家の美術館にいってきました! 風俗博物館は撮影OKだったのでたくさん写真を撮らせていただきました! 季節ごとに展示の内容が変わるのだそうです。 ここでもちゃっかり博物館の方に色々話を聞かせて頂いてました。 この光源氏のマネキンは実物大です光源氏 勝手に触る人がいて困るんだけどね~というこの実物大の十二単の上着の生地だけで実は1千万越えてるそうです。 痛めたら弁償できないと思うので不用意に触っちゃダメだよ! 十二単 ぱっと見刺繍に見えるんですが織り模様だそうです。 ちなみに勝手に触った結果どうなっているかというと左の写真と同じ柄が右の写真のようになってました。 十二単の生地 話を聞かせていただいた方が、実際に和裁をされている方で復元とかもしているそうなので縫いの話も伺うことが出来ました! 最初の写真はミニチュアですが、人形用に柄も縮小して作ってあります。 そのため反物も専用に織ったらしいのでミニチュアでも1着で100万越えてるんですって。 調度品に関しては1/1サイズより手間がかかってるそうです。 壊したら一財産とぶので離れて写真を撮ろうね! 普通の人からしたらどこ撮ってんだよ? という部分写真をズームで撮影しました。 作る人間からしたら裏とか細部が見たいですよねえ。 服飾史の本とかに載ってないかわったところ撮ってきました。 えりくび 光源氏 狩衣の襟元 こよりに細くきった布を巻いて、それをねじって紐にしたものでとめてます 結び方は蜻蛉結とか釈迦結びを参考にしてください 狩衣、平安時代の着物・装束のえりくび 太いタコ糸みたいなのでとめてます。 平安時代の女房の装束・着物 固定は右のえりだけなので意外とぴったりとまってないです。 こっちの写真は神社の装束ですが黒なので見やすいと思います。 直衣の襟 かなり大きな縫い目で縫ってあります。 えりの芯は何重かに折った紙が入ってるそうです 。 束帯の襟 布はしは撚り(ひねり)をかけています。 狩衣の布はしの処理 昔は米で作った糊で細く巻いてほつれないようにしてあります。 平安衣装の作り方 今は合成糊で撚っているそうですが、試着用の衣装は三つ折していました。 狩衣 皆さんが想像しているより昔の装束は縫いが粗いそうです。 十二単は12枚着ているのではなく一番上の着物と裳(後のオーバースカート)をつけてはじめて十二単といって この二つがなければ何枚着ても袿姿(うちきすがた)っていうんですよって教えてもらいました。 十二単 平安時代の着物 図の線わけしてるところで1着です 。 一番内側の1枚は下着だそうです。 十二単の重ね着 緑と赤の襟が見えますが赤いところは実は裏地です。 自分の素性とこういうことをやっているということをきちんと説明して、許可を頂いた上で学芸員さんがいらっしゃるときに裏側や縫い目を撮影させていただきました。 十二単の上着の裏側 ほつれどめなしの所も多いです 。 紐を通しているところは切れ目が入っているだけです。 十二単の裳の紐の裏 ほつれどめしてないとすぐ痛むのでは?とたずねたら 身分の高い人は傷む前に下賜(身分の高い人から下のものにもの与えること)して新しいのを仕立てる。 おさがりで順繰りで回っていくらしいです。 十二単の裳 十二単は目上の人に会うときに着るものなので お姫様は袿姿でそのお姫様に仕える女房が十二単を着てたそうです 十二単のほうが豪華そうに見えますけどね。 今で言うと、お嬢様はラフなワンピースドレスで、従業員はスーツのような感覚なのでしょうか? 一句一音もらさずメモったわけではないので 私の理解間違いもあるかもしれないので 正確な所を知りたい方は風俗博物館とかファッション美術館に実際に行くといいですよ 楽しいよ!

リードに糸を通していた協同組合播州織総合準備センターとは隣同士でここでは製品のチェックと生地の風合いや、防シワ、抗菌加工、型崩れや縮み加工をして出荷するそうです。 なので日本製の生地は洗濯しても型崩れしないと言われるのは、こういう加工を行っているからだそうです。 縦長の機械が続いていて、バーナーで表面の毛羽を焼いたり、水につけて、巨大なローラーのアイロンで乾かしてというのを一気にやってしまいます。 今おすすめなのはミラクルコットンという 内側は汗を吸い取るが表の特殊加工で表面に汗ジミが目立たず黄ばみにくいという加工があるそうです。 写真の液体が加工液で、この液次第でシワになりにくかったり、抗菌作用を持たせたり出来るそうです。 こちらに直で頼むと注文個数が500反からと大きいのですが、 遠孫さんに依頼して+加工依頼すると加工中の他の生地と一緒に加工してもらえるようなので 好きな色柄でかつ特殊アビリティまでセットした素材をゲット出来ますね いつか何かオリジナルの生地作ってみたいなぁ

普通に良く見かけるシャツとかの生地以外に生地の織り方で柄を作り出すことができる工場です。 こういう変わった風合いも織りで作れるそうです 白いのは織った後に裏だけ縮ませたそうです 播磨染工さんやこちらの工場は、個人の仕立てやさんからも直接受け付けているそうです 遠孫織布さんは少ないmからでも織ってくださるそうです ただ糸を初期の費用がそれなりにかかるので、量が少ないほど高くなります なのでコスプレなどで特殊な色柄とかの場合、服を作るなら3~5m位1着に使うので共同購入のように20~30人位で頼めば、既製品よりは高いけど、オーダーの割にはお求め安い価格で作ってもらえそうな感じでしたよ。 柄の大きさや糸の太さや色数にもよりますが 単色で織り模様だけで柄を入れて、150mくらいだったら、1500円/mくらいでいけるかもとのこと。 ジャガードだけでなく平織りもできるので染めで表現しにくい、ストライプとかボーダーの生地とか綺麗に作ってくださると思います ただ織り上がるのに1ヶ月くらいかかるそうです 遠孫株式会社

糸を染めたらサイジングといって糸に糊付け(ここは見学してません) そして布を織る前に協同組合播州織総合準備センターという別の工場で布の色に合わせて縦糸を色順に用意して 布の縦糸をリードという金属に手作業か機械で通します だいたい5000本くらいだそうです これをする自動の機械は1億位するそうです。 ちょうどメンテナンス中で動いているところは見えませんでしたが 手で縦糸をセッティングするだけで2日くらいかかるそうです。 播州産地では一貫してひとつの企業が最初から最後まで行うのではなく 各工程を分業で行っているそうです。

こちらは綿織物の産地で、まず最初は播磨染工株式会社さん 先初めといって先に糸を染めてから織るので糸の染色工場を案内していただきました。 出来た布を染めるのではなく、先に糸を染めるのです。 これが染める前の横糸。 1つが何万メートルも巻いているそうです 染める前の糸 中までしっかり染まるように、染めの為だけにメッシュの軸に巻きなおしてあります この横に長いのが縦糸。 実は横幅1m以上あります 縦糸 すすぎまで自動で行われるようです。 だいたい1色染めるのに8時間から10時間かかるそうです 白い糸って脱色してるのかなと思うでしょ 実は白く染めてあるんですって!! 白く染める 色の調合はコンピューターに入力して製作するそうです 色の調合 過去に調合して作った色見本だけの部屋も見せていただきました 色見本 色見本 こんな本の少しの違いの色合いまで、お客様の依頼にこたえられるように膨大なサンプルが用意されているようです 色見本グレー また木製ボタンの染色やウッドビーズの染色も試作されていました。 体に触れても安全な染料で染めてあるそうですよ さすがにプラスチックは染まらなかったそうですが 木のやさしい風合いが残ったかわいいボタンが、パステルカラーになって、作れる幅が広がりそうですね。 一般販売はまだしていないそうなので、興味のある手芸店さんは問い合わせてみてはいかがでしょうか? 今は科学染料を使い、ほぼ色落ちはしないのだそうです。 たまに、どこの国の生地かわからないもので 洗濯どころか縫っている最中にどんどん色が落ちて白いミシンが淡く布の色に染まるような生地もあるのですが、ほぼ色落ちがないとはありがたいですね! 廃液も自社敷地内で処理して自然に害のない状態にして川へ流しているそうです。 廃液の残りは粉にして別途肥料の材料になるそうです。 環境に配慮されながら、こうやって糸は作られているのですね

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